全国共済は子供たちの輝く未来を応援しています。

スペシャル対談【第23回】切れ目のない子育て支援横須賀を熱いまちに再興

神奈川県横須賀市長 上地 克明 プロフィール

昭和29年(1954年)1月29日生まれ
昭和47年(1972年)神奈川県立横須賀高等学校卒業
昭和52年(1977年)早稲田大学商学部卒業
昭和52年(1977年)株式会社ニチリョウ入社
昭和53年(1978年)衆議院議員田川誠一秘書
昭和53年(1978年)新自由クラブ神奈川県広報副委員長就任
平成15年(2003年)横須賀市議会議員初当選(当選4回)
平成29年(2017年)第37代横須賀市長就任

上関 康樹理事長 プロフィール

上関 康樹/全国共済神奈川県生活協同組合 理事長
1954年横浜生まれの横浜育ち。大学卒業後、金融機関勤務を経て、平成6年12月、全国共済に。
生粋の浜っ子で、神奈川への想いはひと一倍、そして未来の神奈川を担う子どもたちへの愛情と責任も感じていて、おもに子どもたちをどう支援していくかを考えている。
趣味はアンティークと自転車。週末はロードサイクルで走ることも。

横須賀市は、「横須賀再興プラン」をはじめ、切れ目のない包括的な子育て支援事業を実施し、子育て世帯が暮らしやすいまちづくりに取り組んでいる。上地克明横須賀市長と全国共済神奈川県生活協同組合(全国共済かながわ)の上関康樹理事長、よこはまチャイルドラインの徳丸のり子代表理事が、横須賀の現状やそれぞれに取り組む子育て支援、今後の展望について話し合った。(文中敬称略)

目指すは朝令暮改 柔軟で迅速な対応

-横須賀市の現状をお聞かせください。

上地

横須賀市は、直面している人口減少や少子高齢化による課題に対応し、「躍動感ある横須賀」市民が自分のまちを自慢したくなるような横須賀」を目指すため、再興プランの中で4つの柱を掲げています。

● 経済・産業の再興
● 地域で支え合う福祉のまちの再興
● 子育て・教育環境の再興(整備・充実)
● 歴史や文化を生かしたにぎわいの再興

横須賀市政が目指すのは「朝令暮改」(※)です。悪い意味で使用される言葉ですが、時代の変化に合わせて迅速に対応すると解釈してください。本来行政の施策は一貫性や継続性があるべきですが、時代の移り変わりで変化するものには柔軟に対応しなければなりません。国単位では対応が難しい問題でも、地方であれば上手く対応できることもあります。フットワークの軽さを強みにして、再興に向けて積極的に取り組みたいです。

※朝に出した命令を夕方にはもう改めること

上関

朝令暮改のイメーンが一転しました。市長がおっしゃるように捉えると、現代に合った良い言葉ですね。

上地

横須賀市は崖地が多く平地が少ない住環境ですが、歴史・文化や自然環境も充実していて魅力あるまちだと思いますので、これを最大限に生かせるようなまちづくりを進めたいと思います。

包括的なサポート 子育て世帯が安心

-横須賀市が取り組む子育て支援をお聞かせください。

上地

まず、小児医療費助成の拡大です。今年度から助成対象者を小学6年生から中学3年生まで引き上げ、所得制限も撤廃しました。これで、全ての子どもが医療を等しく受けられることを願います。次に、幼稚園・保育園などの保育料の段階的無償化です。現在は、年収約360万円未満相当の世帯が対象ですが段階的に実施しています。経済的な格差によって、子どもの教育の機会が奪われることがないように努めています。

上関

横須賀に住む娘夫婦がちょうど今子育て中なので大変ありかたいです。

上地

本来これらの補助はナショナルミニマム(※)だと思いますが、先行して横須賀で実施しました。これがモデルとなって、全国に広がることを期待します。
そして、公設の放課後児童クラブの設置のほか、子育て支援機能を併せもつ拠点施設「(仮称)中央こども園」を新設します。0歳児から5歳児までの保育と幼児教育を一体的に提供するとともに、誰もが安心して子育てしながら働けるよう「病児・病後児保育センター」も整備します。また、子育てに関する相談支援・交流コミュティの場「愛らんど」も備える予定です。

※国が国民に提供する必要最低限の生活水準

徳丸

子育てで悩みを抱える母子が誰にも相談できずに孤立している場合もあるので、とても大切な場になると思います。

上地

さらに妊娠、出産、子育てまで切れ目のない包括的な支援を目指し、次の事業を実施しています。

● こんにちは赤ちゃん事業
● 妊娠・出産包括支援事業
● 特定不妊治療費助成事業
● ハッピーマイプラン事業
● 不育症治療費助成事業

これらの取り組みが子育てに対する心理的不安や経済的負担の軽減につながればと思います。

弱い子ども支える意義のある活動を

-全国共済かながわの制度についてお聞かせください。

上関

全国共済かながわは、「共に助けあう」という思いから生まれた保障の共済で、非営利団体として事業展開する全国39都道府県民共済グループの一つです。
万一の備えとして、0歳から85歳までいくつかの年齢層で区切り、その中では男女の区別なく「一律掛金・一律保障」であることが特長です。満18歳から満64歳の方が申し込める保障には、入院・死亡双方の保障をバランスよく備えた「総合保障型」、入院・手術など医療保障が手厚い「入院保障型」があります。「こども型」は06歳から満17歳のお子さま、「熟年型」「熟年入院型」は満65歳から満69歳の方が申し込める保障です。
組合員さまの掛金は、保障にあてることを最優先にしていますが、事業利益(手数料)の一部は、立場が一番弱い子どもたちへの応援として、文化・スポーツ活動の協賛、チャイルドラインの支援、小児病棟への本の寄贈などに還元させていただいています。横須賀では、よこすかみこしパレードや追浜マラソンなども協賛させていただいています。それと、数年前に養護施設の野球大会のサポートをさせていただいた時に、上地市長をお見かけしたこともあります。市長に就任される前でした。

上地

その頃からご縁があったのですね。

-子ども専用電話相談「チャイルドライン」についてお聞かせください。

徳丸

18歳までの子どもであれば誰でも利用できる″いのちの電話″です。この相談ホットライン「チャイルドライン」は、フリーダイヤルで週3回ご利用いただけます。全国共済かながわさまの支援のもと、全県の子どもたちにチャイルドラインカードを配らせてもらっています。チャイルドラインが生まれたイギリスでは当時のサッチャー首相が「イギリスの国宝」と称するほど意義のある活動なので、日本でもさらに広まるよう取り組みます。

温かく熱い横須賀 全ての子が笑顔に

-今後の展望についてお聞かせください。

徳丸

子どもには親や先生以外に相談できる大人の存在が必要です。昔はそういう「温かい他人」がまわりにいましたが、今は違います。そのため、チャイルドラインでは弱っている子どもに温かい他人を提供できるよう今後も取り組んでまいります。

上地

横須賀は温かい他人はもちろん「熱い他人」も大勢いるまちです。今後は神奈川の中心的存在となるよう、横浜市との連携も含めて横須賀文化を全国に発信していければと思います。サポートが充実した横須賀で子育てをされたい方はぜひお越しください。

上関

全国共済では弱い立場にいるお子さん、とくに生活保護を受けずに頑張っている一人親世帯に行政と一緒になってできる事はないか、今後の課題として取り組んでいます。すべての子どもが平等に笑顔で生活できる社会づくりのサポートができるようこれからも尽力させていただきます。

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