全国共済は子供たちの輝く未来を応援しています。

スペシャル対談【第22回】全ての子が健やかに次世代もかがやく街

神奈川県座間市長 遠藤 三紀夫 プロフィール

早稲田大学教育学部卒
株式会社トヤマ代表取締役
座間青年会議所理事長、座間工業会会長
座間市商工会会長、座間市観光協会会長、座間市長(3期目)
現在の主な役職
高座清掃施設組合副組合長、広域大和斎場組合副管理者
全国市長会関東支部理事、神奈川県市町村職員共済組合理事長。
趣味は読書、旅行。

上関 康樹理事長 プロフィール

上関 康樹/全国共済神奈川県生活協同組合 理事長
1954年横浜生まれの横浜育ち。大学卒業後、金融機関勤務を経て、平成6年12月、全国共済に。
生粋の浜っ子で、神奈川への想いはひと一倍、そして未来の神奈川を担う子どもたちへの愛情と責任も感じていて、おもに子どもたちをどう支援していくかを考えている。
趣味はアンティークと自転車。週末はロードサイクルで走ることも。

座間市は、「ファミリー・サポート事業」・「ざまりんすくすくギフト」など充実した子育て支援サービスにより、子育て世帯のサポートに積極的に取り組んでいる。遠藤三紀夫座間市長と全国共済神奈川県生活協同組合(全国共済)の上関康樹理事長、よこはまチャイルドラインの徳丸のり子代表理事が、それぞれに取り組む子育て支援や今後の展望について話し合った。※文中敬称略

柔軟な発想で再生官民連携の成功例

-市の子育て支援の取り組みをお聞かせください。

遠藤

座間市では、全ての子どもが健やかに成長できる環境づくりと総合的な少子化対策等を課題と捉えています。そこで、平成28年度には乳幼児期から青年期まで継続した期間の施策を同一部内で一括して推進するため、「子ども未来部」を創設しました。
子育て支援の取り組みとしては、専用カタログから自由に選んだ育児用品(上限1万円)をご自宅までお届けする「ざまりんすくすくギフト」を実施しています。平成29年度から開始したところ、お母さんたちに喜ばれています。また、子育て中の親子同士の交流促進を図る子育て支援センター「ざまりんのおうちかがやき」も開設しました。施設は昭和40年代に建てられた座間駅前の小田急電鉄の社宅を活用し、他にも一般賃貸住宅や市営住宅などの複合施設としても再生しました。これが官民連携により成功した事例と評価され、平成28年にグッドデザイン金賞を受賞しました。

上関

老朽化した社宅を有効活用するなど、会社経営の経験がある遠藤市長ならではの柔軟な発想だと感服しました。

徳丸

施設を物理的にまとめることで新たな交流も生まれるので、次世代にとって必要な場所だと感じます。

遠藤

さらに、「人の集まる駅を核とした子育て支援」を充実させるため、小田急相模原駅前西地区(座間市)の再開発ビル内に子育て支援センターと保育園、多世代交流スペースなどの複合施設の開設も進めています。

助けあうこころで弱い子をサポート

-全国共済の制度についてお聞かせください。

上関

全国共済は「助けあいの心」から生まれた保障の共済で、非営利団体として事業展開する全国39都道府県民共済グループの一つです。万一の備えとして、0歳から85歳までいくつかの年齢層で区切り、その中では男女の区別なく「一律掛金・一律保障」であることが特長です。満18歳から満64歳の方が申し込める保障には、入院・死亡双方の保障をバランスよく備えた「総合保障型」、入院・手術など医療保障が手厚い「入院保障型」があります。「こども型」は0歳から満17歳のお子さま、「熟年型」「熟年入院型」は満65歳から満69歳の方が申し込める保障です。お預かりした掛金は組合員の皆さまの保障や福利厚生にあてることが最優先ですが、事業利益(手数料) の一部は、次世代を担う子どもたちへの応援として、文化・スポーツ活動の協賛、チャイルドラインの支援、小児病棟への本の寄贈などに還元させていただいています。

遠藤

本の寄贈など素晴らしい取り組みですね。

上関

私自身が入院した際、小児病棟の本が汚れているのを目にしたのがきっかけです。″病気は治る″と希望を持つためにも、きれいな本が必要ではないかと思い、寄贈させていただきました。

-子ども専用の電話相談「チャイルドライン」についてお聞かせください。

徳丸

わかりやすく言うと、子どもだけが利用できる″いのちの電話″です。この相談ホットライン「チャイルドライン」は、18歳までの子どもであれば誰でも利用できるフリーダイヤルで週3回ご利用いただけます。全国共済の支援の下、全県の子どもたちにチャイルドラインカードを配らせてもらっています。行政が行なう相談電話は子どもにはハードルが高く、手が出せないこともあるので、相談しやすい窓口として役割を果たせればと思います。

子どもが集い学ぶ地域の在り方とは

-健全な子ども育成のため、どのような環境づくりをしていますか。

遠藤

保育所の待機児童を解消するため、認可保育園の分園や小規模保育所等の新設により、この5年間で定員が約200人増加しました。しかし、算定基準の改正などにより、入所申込者がそれを上回り、待機児童数は増加しているので、民間事業者の協力を得ながら保育所の整備を進めています。また、子どもたちの安全・安心な居場所として、放課後に小学校の余裕教室などを活用する「放課後子ども教室」の開設にも取り組んでいます。これは、地域の方々の参画を得ながら、学習・体験・交流の機会を提供する場です。現在は座間市内三つの小学校で開設して、今後は小学校全校での開設を目指します。

上関

私も昔に比べて今の子どもは集う場所が減っていると感じるので、公園を学びの場所に戻したいという思いがあります。昔はたくさんの子どもたちが公園に集まり、いろいろなことを学びました。近年は事故やトラブルに対する不安から、遊具も″危険″と指摘されるとすぐに撤去されます。子どもがケガをするのはよくあることで、そこから危険を回避することも学ぶので、何でもふたをする現状はいかがなものかと考えさせられます。

遠藤

さまざまな家庭の事情により、朝昼夕の3食を食べられない子もいます。学校給食で補うことも1年の半分程度しかできないので、家庭環境を整えることが必須です。この問題についても家庭内の事情だからと目を背けずに、地域や社会全体で改善できるように積極的に取り組みたいと思います。

相互援助で子育て広がる地域の交流

-今後の展望についてお聞かせください。

遠藤

子育ての援助を行いたい人と援助を受けたい人がそれぞれ会員となり相互援助活動を行うファミリー・サポート事業があります。今後は、地域における育児の相互援助を推進することで、市民による市民のための地域福祉活動が広がることを期待して、会員を増やすよう取り組みます。

徳丸

周りに相談する大人がいなくて、子どもがSOSを出せずに抱えこんでしまうケースは少なくありません。そこで、チャイルドラインは子どもたちのよりどころとして、一人も取りこぼしがないように取り組んでいければと願っています。

上関

経済的に厳しい家庭環境にある子どもたちに保障という安心を提供し、家庭と行政の医療費負担の軽減ができないかと模索しています。行政と一緒になって子どもたちの笑顔が増やせるようこれからも取り組んで参ります。

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