全国共済は子供たちの輝く未来を応援しています。

スペシャル対談【第20回】『自他共栄』の思いを胸に

柔道家 古賀 稔彦 プロフィール

1967年福岡県生まれ、佐賀県出身。
東京・世田谷の「講道学舎」に入門し、弦巻中学、世田谷学園高時代に数々の全国大会を個人・団体戦で制覇。
日本体育大学進学後"平成の三四郎"の異名をとり、世界選手権2階級制覇をはじめ、ソウル、バルセロナ、アトランタと3度のオリンピックに挑戦している。
1992年のバルセロナ五輪では、大会直前に左膝内側側副靭帯損傷の大怪我を負いながらも金メダルを獲得。また、1996年アトランタ五輪では銀メダルを獲得。
2000年4月、現役を引退し、「指導者」として、全日本女子柔道コーチを務めるかたわら、2003年4月からは子供の人間育成を目的とした町道場「古賀塾」を開塾。

上関 康樹理事長 プロフィール

上関 康樹/全国共済神奈川県生活協同組合 理事長
1954年横浜生まれの横浜育ち。大学卒業後、金融機関勤務を経て、平成6年12月、全国共済に。
生粋の浜っ子で、神奈川への想いはひと一倍、そして未来の神奈川を担う子どもたちへの愛情と責任も感じていて、おもに子どもたちをどう支援していくかを考えている。
趣味はアンティークと自転車。週末はロードサイクルで走ることも。

子どもたちの笑顔を待ち望むのは、身近な家族や先生ばかりではありません。その健やかな成長を願い、陰ながら支えるたくさんの大人たちがいます。たとえば、″助けあい″の心で神奈川県民の安心をサポートする全国共済は、スポーツや文化など子どもたちのさまざまな活動を支援してきています。同じく日本を代表する柔道家であるメダリスト古賀稔彦氏もまた、川崎市の道場『古賀塾』で子どもたちに日々″柔(やわら)の心″を伝えています。全国共済の上関康樹理事長と柔道家の古賀稔彦氏が、未来をになう子どもたちへの思いを語り合いました。

子どもたちの未来を育む

上関

私は中学時代、柔道をやっていたので柔道への思い入れはとても強く、古賀さんのご活躍も大変印象に残っています。一時期低迷していた日本柔道界ですが、このところの勢いには目を見張るものがあります。要因はとこにあるとお考えですか。

古賀

かつての柔道界は選手に対し『上から一方的に命令する』という日本の伝統的な縦(タテ)社会そのものだったように思います。しかし近年は、指導者が『選手の意見に耳を傾ける』姿勢を大事にするようになりました。選手とコーチが話し合い、お互いが納得したうえで練習に取り組むようになったことが、本来の強さを引き出す要因となったのではないでしょうか。

上関

現役時代、コーチとの関係はいかがでしたか。

古賀

私自身、国際大会で敗れた時に「これからは自分の考えをコーチや監督にしっかり伝えていこう」と決意しました。強制される練習は身に付きませんが、自分の意見が反映された中身であれば自主的に取り組めます。また、試合中ピンチに陥った時も、どう動くかを自ら考えるようになります。″自主性は問題解決能力を高める″ことを実感しました。

上関

確かにおっしゃる通りですね。組織の中でも同様に、社員の自主性を育てなければいざという時に応用がきかない人材ばかりになってしまいそうです。

他者を思いやる心は、“挨拶”から

上関

全国共済は、″助けあい″の心から生まれた生活協同組合です。その精神をもっと社会に広げていければと、野球やバレーボール。ミニバスケットボール、また横浜市立小学校体育大会やよこはま国際ちびっこ駅伝大会など、家族や社会の明日をになう子ども左右のスポーツ支援をしています。しかしある時「もっと弱い立場にある子のために何かできないだろうか」と考え、児童養護施設の児童生徒による野球とソフトボール大会の支援をはじめました。試合に行って驚いたのは、他の競技と違い、応援する保護者が誰もいなかったことです。それでも子どもたちは皆一生懸命頑張って、心からの感謝を伝えてくれました。今後もこの大会をずっと応援していくつもりです。

古賀

素晴らしい!より弱い立場の人に思いをはせ、何かできるかを考える、まるで嘉納治五郎先生の生まれ代わりのようです(笑)。まさしく嘉納先生のおっしゃる″精力善用″″自他共栄″の精神を実践されていますね。

上関

いえいえ(笑)。ただ、私は互いに信頼し助け合う″柔道の心″を大切にしています。この道場の壁に″塾五訓″を掲げておられますが、私自身もその基本はまず挨拶にあると思っています。

古賀

現役時代の私にとって大事なことは″勝つこと″でした。しかし指導者となり柔道を伝える立場に立った今、勝利よりまず″柔(やわら)の心″を養っていく必要がある、と。そこで稽古の前には必ず子どもたちに塾五訓と″精力善用″″自他共栄″という言葉を唱和させます。頭で分かっていても、実際言葉に出さなければ行動にはつながらないので。

子どもは皆。“天才”

上関

自他共栄、つまり人のために何がで合るか・:ということで、全国共済は子ども専用無料電話相談″チャイルドライン″を全面的にバックアップしています。いじめや貧困に悩む子どもたちの痛ましいニュースが絶えませんが、悩み相談はもちろん、聞いてほしいことを何でも話すことができる電話です。

古賀

良い活動ですね。大きなポスターを作って学校に貼ればいじめ抑止力の効果も期待できそうです。

上関

こうした活動を通じて私は子どもたちに『決してひとりではない』と伝えたいのです。

古賀

子どもたちは誰でも天から与えられた才能を隠し持った″天才″ですからね。自分だけの才能に出会う瞬間は人生の大きな喜びのひとつ。そのためにも、さまざまな挑戦をしていって欲しいと思います。お互い立場は異なりますが、今後も共に前へ進んでいきましょう。

上関

ありがとうございます。お互いに頑張りましょう。

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